東京オリンピックが終わったと思ったら、あと5か月で北京オリンピックですね!
アスリートの方々が、代表を勝ち取るために、最後の調整にはいっていますが、その中にスキージャンプの竹内択さんもいます。
竹内択さんは、難病を抱えています。今回はその難病や、現在の様子を調べてみました。
チャーグ・ストラウス症候群
1951年に定義されたときは、チャーグ・ストラウス症候群と言われてましたが、近年では好酸球性多発血管炎肉芽腫症(EGPA)と言われ、国の指定難病に認定されています。
好酸球という白血球の一種が全身の血管を攻撃することで、起こる病気です。
原因は不明です。
血管の壁に炎症が起きる⇒梗塞(血管が詰まる)・出血(血管が破れる)
⇒全身反応が起きて、臓器や組織に障害がおきる。
症状:発熱・体重減少・消化管出血・心筋梗塞・神経障害(脳内出血・脳梗塞・しびれ・筋力低下)
初期症状は、気管支喘息や、アレルギー性鼻炎などがおきます。その後好酸球がすごく増えてくるので、全身の末梢血管に炎症が起きてくる。
原因ははっきりしてないのですが、アレルギー反応が先行してくるので、アレルギー反応が発病に関係しているのではないかといわれています。
治療法
自己免疫疾患(自分で自分の体を攻撃する病気の事)で、炎症が起きるので
①ステロイド療法。
②免疫抑制剤を併用する。
免疫抑制剤でも、最近は生物学的製剤(バイオテクノロジーによって、つくられたお薬。マウス由来の蛋白や人由来の蛋白を遺伝子工学で合わせて作ったりします)も導入されています。病院への通院回数も減って、生活に支障が出にくくなります。
ほとんどの方は、これで症状が緩和します。しかし一度発病した方は、再発を繰り返すので、末梢神経障害などの後遺症が残ることがあるそうです。
③ステロイド治療で神経障害が出た場合、グロブリン製剤の注射を選びます。
ステロイドを投与することによる副作用は様々です。その副作用を抑えるために薬を追加することもあります。
炎症反応の数値がある程度下がって退院したとしても、体調を診ながらステロイドを減量していく過程でぶり返さないとも限らないので、体力を消耗するスポーツをやり続けるということは、ご家族のサポートなしでは無理だっただろうと正直思いました。
発症したときの心情
発症したのは2014年のソチ五輪の直前でした。
スキージャンプの団体で銅メダルが決定した直後の竹内さんは下のようにインタビューに答えていました。
僕も入院したときにオリンピックを一度、諦めかけたというか、もしかして出られないんじゃないかなと思った瞬間もあったんですけど、ずっと小さい頃からの夢だったんでなんとかして自分の身体を戻して、みんなでメダル取りたいという気持ちで、ここまでやってこれました。でも、今日は本当に、メダルを取らしてもらったなという感じが強いです。
また、このようにも話しています、、
もし、メダルを獲得したら、病気を公表しようとおもった。家族の支えがあって、舞台に立てた。同じような病気と闘っている人に勇気を与えられたらうれしい。
昔はお薬も少なく、症状の重さによっては命も助からないといわれていた病気でした。
それでも、オリンピック目前だったので、「死んでしまうかも」というより、「とにかく早く治してほしい」とお医者さんに言いながら、病室でトレーニングをしていたそうです。
オリンピック直前の1月下旬のワールドカップ札幌大会には外出許可をもらって出場したときは、筋力低下のダメージは大きかったそうです。
しかし、定期的に病院に通い数値を安定させながらなら運動が出来る、という状態だったのはかなりの安心感だったそうです。
今では、インタビューで「副作用が出ない薬もでてきて、2カ月に1回いけば数値が安定している」と話しているので、生物学的製剤を使用していると思われます。
医薬の進歩も竹内さんのこれからの活躍に一役かってくれたというわけです。
医学の進歩万歳!
今後の活躍
竹内さんは、現在『北野建設』を退職してプロのスキージャンパーに転身しました。
竹内さんは、自分の競技としてのジャンプの追求とスキージャンプをエンタメ化してカッコよくしたい!という想いで進めていきたいとおもっているそうです。
team takuを結成されて、アスリートの枠にとらわれない活動を続けています。
2019年から2020年シーズンは、12月のコンチネンタルカップは4戦中1位2回、2位1回、5位1回で総合1位になった。その後ワールドカップに出場。最高位は16位、総合で日本人7番目の47位という成績をのこしています。
今はご縁で複数のスポンサー企業と組むことができているようです。ちょっと安心しました。
また、クラウドファンディングもやってました。新人さんがバイトしている地元竹内農園のお米や、お酒、特別にデザインされたポスターやバッグなどが返礼になってました。
こんどまたあったら、是非参加してみたいです。
スキージャンプはマイナーなスポーツなので賞金だけで食べていけないですものね。
今年は、自分たちがトレーニング出来て、一般の人もトレーニングしながら治療院も併設したような形態のジムを作られたようですし、トリノ五輪代表の伊藤謙司郎さんをコーチとして入りました。
プロとしての土台もでき、オリンピックに向けて頑張ってほしいですね。
しゅのんの総評
竹内択さん、今まではイケメンスキージャンパーというくらいしかわかっていなかったので、今回調べてアスリートのメンタルの底力というものを見た気がしました。
周りの方のや家族の応援も、もちろん力になっていることでしょう。
オリンピックに無事日本代表になって出場できるといいですね。